開店開業のリスクとは?事業を始める方が知っておきたい保険の基本

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店舗や事務所を開店・開業すると、新たな売上のチャンスが生まれる一方で、さまざまなリスクも背負うことになります。
しかし、どのようなリスクがあるのか、またそのリスクに対してどの程度まで保険で備えられるのか、事前に全体像を把握できている方は多くありません。
例えば、火災や水災による建物や設備の損害、思わぬ事故による休業や売上減少、さらには顧客や取引先への賠償責任、従業員や経営者本人のケガや病気など、事業を始める方が直面するリスクは多岐にわたります。
こうした不測の事態に備えるうえで、どのような損害保険や生命保険を検討すべきかを理解しておくことは、資金繰りや事業継続を守るうえでとても重要です。
この記事では、開店・開業前後に押さえておきたい主なリスクと、そのリスクに対してどのような保険で備えられるのかを、初めて事業を始める方にも分かりやすく解説していきます。

事業を始める方が直面する主な開店・開業リスク

店舗や事務所を構えて事業を始めると、建物や設備などの「財産」に関するリスク、営業が止まる「休業」に関するリスク、第三者への「賠償」に関するリスク、そして経営者や従業員など「人」に関するリスクが同時に存在します。
日本損害保険協会では、企業活動には財産の損害や事業中断、賠償責任など多様なリスクが潜んでいると整理しており、事業の規模を問わず共通して生じ得る点が指摘されています。
開店・開業の段階では売上が安定していないため、いずれのリスクが顕在化しても資金面・心理面の負担が大きくなりやすいことが特徴です。
このため、事業を始める時点で、少なくとも上記の4つの分野のリスクを一通り把握しておくことが重要です。

一方で、業種を問わず共通して想定されるリスクとしては、火災や水漏れなどによる設備の損壊、情報管理の不備によるトラブル、従業員の労災事故などが挙げられます。
これに対して、店舗型ビジネスでは、不特定多数の来店者が出入りすることから、転倒・落下物などの施設事故や、商品・提供サービスに起因するトラブルが起きやすいという特徴があります。
日本損害保険協会の整理でも、企業財産のリスクや賠償責任のリスクは多くの業種に共通する一方、顧客が出入りする店舗では対人・対物事故の頻度が高まりやすいとされています。
このように、共通するリスクと業態特有のリスクを分けて考えることで、自社にとって優先度の高い備えが見えやすくなります。

さらに、こうしたリスクが現実に発生すると、単なる一時的な出費にとどまらず、経営全体に影響が及びます。
建物や設備の損害、長期にわたる休業、賠償金の支払いなどが重なれば、手元資金が大きく減少し、資金繰りが急速に悪化するおそれがあります。
また、事故やトラブルの内容によっては、取引先や顧客からの信頼が低下し、評判の悪化を通じて売上の減少や新規取引の停滞につながる可能性もあります。
日本損害保険協会は、企業リスクが信用低下や事業停止という形で事業継続に影響することを示しており、開店・開業段階でのリスク把握と備えの重要性がうかがえます。

リスク区分 主な内容 経営への影響
財産のリスク 建物・設備・商品などの損害 修繕費増加・資金負担
休業のリスク 事故・災害による営業停止 売上減少・固定費負担
賠償・人のリスク 第三者への損害・従業員の事故 賠償金支出・信用低下

店舗・設備・売上に関わる開店・開業リスクと備える保険

まず、店舗や事務所を構える事業では、火災や落雷だけでなく、近年激甚化している風災や水災により建物や設備が損害を受けるおそれがあります。
日本損害保険協会では、企業のリスクの一つとして「企業財産のリスク」を挙げ、火災や自然災害により建物や什器、商品が損害を受ける事例が示されています。
さらに、盗難や破損など、日常の業務中や保管中に発生する事故も含めて幅広く備える必要があります。
開店・開業時には、これらの事故が発生した場合にどの範囲まで損害が及ぶかを具体的にイメージしながら、保険でのカバー範囲を検討することが重要です。

次に、事故や災害で店舗の営業ができなくなった場合には、建物や設備の復旧費用だけでなく、休業期間中の売上減少も大きな問題となります。
中小企業基盤整備機構は、災害発生時に一日も早く事業を再開するためには、流動資金の確保とあわせて、火災保険などで財物や利益を補償することの重要性を指摘しています。
特に、固定費の支払いが続く中で売上だけが途絶えると、資金繰りの悪化につながりやすくなります。
そのため、財物補償とあわせて、休業による利益減少や追加費用を補償する保険を組み合わせて検討する考え方が有効です。

こうした企業財産や事業中断リスクに備える代表的な損害保険として、企業向け火災保険や動産総合保険、休業補償保険などがあります。
日本損害保険協会は、企業財産のリスクに対する保険として、火災などの偶然な事故による建物や設備の損害を補償する火災保険や、備品・什器などの動産の事故を対象とする動産総合保険を挙げています。
また、事業中断・利益減少のリスクに対しては、建物などが損害を受けて休業した際の利益減少や追加費用を補償する休業補償保険が用意されています。
なお、具体的な補償範囲や特約の内容は保険会社や商品によって異なるため、自社の事業内容やリスクに応じて内容を確認しながら選ぶことが大切です。

リスクの種類 主な事故例 主な保険・補償
企業財産のリスク 火災・水災による建物損害 企業向け火災保険
動産・商品リスク 什器や商品の盗難・破損 動産総合保険
事業中断リスク 事故に伴う休業・売上減少 休業補償保険

事業を始める方が注意すべき賠償・人に関するリスクと保険

まず、開店・開業にあたっては、顧客や取引先、通行人など第三者に対する賠償責任リスクを整理しておくことが重要です。
代表的なものとして、店舗や事務所の施設そのものに起因する事故、業務の遂行中に生じる事故、納品した商品や提供したサービスに起因する事故が挙げられます。
具体的には、床のぬれによる転倒、作業中の工具落下による物損、販売後の商品不良による健康被害などがこれに該当します。
これらは損害賠償金だけでなく、示談交渉や訴訟対応の費用も発生し得るため、事前に補償内容を確認したうえで賠償責任保険への加入を検討することが大切です。

次に、従業員や経営者本人のケガや病気、業務災害が事業に与える影響について考える必要があります。
従業員を雇用する場合は、原則として労災保険への加入が義務とされており、業務中や通勤途中の負傷・疾病・障害・死亡について、公的な補償を受けられる仕組みになっています。
一方で、個人事業主本人や家族従業者は、原則として労災保険の対象外であるため、特別加入制度や民間の傷害保険・医療保険などで補償を確保する必要があります。
また、長期の療養が必要になれば、労務の代替確保や売上減少への対応も求められ、資金繰りや事業継続に影響する点を踏まえて備えを検討することが重要です。

さらに、「人」に関するリスクに備える保険として、賠償責任保険や労災上乗せ保険、生命保険などの概要を押さえておくと整理しやすくなります。
賠償責任保険は、前述のような第三者のケガや物損に対する損害賠償金や訴訟費用などを補償の対象とするのが一般的です。
労災上乗せ保険は、公的な労災保険の給付だけでは不足しやすい部分を補う目的で、従業員やその遺族への見舞金や追加給付を民間保険で手当てするものです。
生命保険や就業不能保障などは、経営者本人が万一亡くなった場合や長期間働けなくなった場合に、遺族の生活費や事業資金、借入金返済原資を確保する役割を果たすため、事業規模や家計状況に応じて検討することが望ましいです。

リスクの種類 主な影響 代表的な保険
施設・業務起因の事故 賠償金支出・信用低下 賠償責任保険
従業員の労災事故 補償負担・人手不足 労災保険・上乗せ保険
経営者の死亡・病気 事業継続困難・資金不足 生命保険・就業不能保障

開店・開業前に行うべきリスク洗い出しと保険選びの手順

まずは、事業計画をもとに自社の状況を具体的に整理することが大切です。
日本損害保険協会では、企業活動を取り巻くリスクを「企業財産」「賠償責任」「事業中断・利益減少」などに分類して考える方法が示されています。
これにならい、自社の業種、事業規模、予定している設備投資額、立地条件、想定従業員数などを一覧にし、それぞれがどのリスクに関係するかを書き出すと、リスクの抜け漏れを防ぎやすくなります。
そのうえで、頻度は低くても発生した場合の損失が大きいものから優先的に対策を検討していくと、限られた予算でも効果的な備えにつながります。

次に、公的保険と民間保険の役割分担を整理しながら、必要な制度を確認していきます。
公的保険については、労災保険や雇用保険をはじめとした労働保険、健康保険や年金保険などの社会保険の適用条件を確認し、従業員を雇用する予定がある場合は、加入義務や任意適用の可否を事前に把握することが重要です。
一方で、火災や水災による建物・設備の損害、休業に伴う利益減少、取引先や来店客への賠償などは、公的保険だけでは十分にカバーできない場合が多いため、損害保険や賠償責任保険など民間保険の検討が欠かせません。
このように、公的保険で最低限守られる部分と、民間保険で上乗せすべき部分を分けて考えると、自社にとって必要な補償が明確になります。

さらに、保険は開店・開業前に加入して終わりではなく、その後の見直しも前提にしておく必要があります。
開業直後は、想定していた売上や人員計画と実績が大きく異なることも多いため、一定期間経過後に契約内容を点検し、必要に応じて保険金額や補償範囲を調整することが望ましいとされています。
また、事業拡大や新たなサービス開始など、リスクの内容が変化したタイミングでも見直しが必要です。
このような過程で、保険会社や専門家への相談を活用すれば、自社では気付きにくいリスクの指摘や、公的保険と民間保険を組み合わせた効率的な備え方の助言を受けられるため、結果として保険料と補償内容のバランスが取りやすくなります。

手順 確認内容 主なポイント
事業計画の整理 業種・規模・立地把握 財産・賠償等の分類
公的保険の確認 社会保険・労働保険 加入義務と任意適用
民間保険の選定 火災・休業・賠償補償 補償範囲と保険金額
開業後の見直し 売上や人員の変化 補償内容の適正化

まとめ

開店・開業には、財産の損害や休業、賠償、人に関する多様なリスクがあり、どれも事業継続に大きく影響します。
事前に自社のリスクを洗い出し、公的保険と民間保険を組み合わせて備えることが重要です。
自分の事業に、どの保険が本当に必要か判断するのは簡単ではありません。
当社では、物件選びとあわせて開店・開業時のリスクや保険の考え方も丁寧にご説明します。
安心して事業をスタートしたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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